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カテゴリー別 : Anima Blog Club

リガー(リギングアーティスト)という仕事

明日から3連休!
あいにくの台風予報ですが、寒暖差の激しい時期ですので
家でゆっくり体を休めるのも良いかもしれません*

さて今回はアニマの「リガー」という職種をご紹介します!

この記事を読んでくださっている方の中には“「リグ」って何?”や、
“「リガー」ってどんな職種?”という方もいらっしゃるかもしれませんので
基本的なところからご説明します。

まず「リグ」とは、
【作られたモデルをきちんと動かせるようにする仕組み】のことです。
「リグ」は様々な方法を使って作られますが、以下が基本となります。

まず、「ジョイント」を使い、生き物でいう“骨”にあたるものを作り、
そして「スキニング」と呼ばれる作業でジョイントを動かしたときに
【モデルのどの部分を一緒に動かすか】を指定します。
ジョイントはモデルを外から見たときに見にくい状態であることが多いため、
「コントローラ」を作り、外から見ても動かしやすいように作っていきます。

このような『仕組みづくり』をする人のことを「リガー」と呼びます。
(リギングアーティストとも呼ばれます)

この作業はモデリングとアニメーションの間に行われますが、
参考までに大まかな流れを作成してみました↓
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◆ デザイン決定後、モデリング作業を行う


◆ リガーがモデルに合わせてリグを作成する(左:モデル/右:リグ)


◆ リグ完成後、アニメーション開始


◆ エフェクトやコンポジット作業を行う
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アニメーションにおいてリグはとても重要なので、
リガーとアニメーターは日々連携をとって作業しています。
例えば、アクセサリーの硬さのレベルなどの細かなことも確認し合っています。
同じように、モデリングアーティストとの連携も重要です。
なぜなら、モデルにおいても“どのポーズで作るのか(AポーズやTポーズ)”や、
“ポリゴンの割り方”などについて確認をする必要があるからです。

現在アニマでは業務委託を含む5名のリガーが
Developmentディビジョン内のリグチームとして日々業務にあたっています。
Mayaを使う案件の場合は過去にご紹介した『mGear』を使用する機会が多いです。
なんと私の隣の席にmGearの開発者がいます…!!!

せっかくなので、2名のリガーにインタビューしてみました:)

1人目:Kさん(元アニメーター)

リガーになろうと思った経緯を教えてください。
– 絡繰りというか、機構を作ってモデルが動くようになるのが好きだったからです

リグを作る上でのコツや意識していることはありますか?
– モデルをスキニングする際、ウェイト調整で筋肉が細くなりすぎていないかなど、
 パッと見て不自然に思うものは出来る限り減らそうと意識しています

おすすめの書籍や映像作品を教えてください。
– 【スカルプターのための美術解剖学】です。
 ポーズをとった際に筋肉がどの様に変形するのか(していくのか)が
 描かれていて分かりやすいです。主に上半身の事を取り扱っているので、
 下半身に関してももう少しボリュームが欲しいところですが…

リガーを目指している方にメッセージをお願いします!
– 体を動かした際の骨や筋肉の動き具合や働きを勉強しておくと、
 基本的なセットアップがスムーズになると思います!

2人目:Tさん(元モデラー)

リガーになった経緯を教えてください。
– 私が入社した当時はモデラーがリギング作業をしていたのですが、
 そのときにリギングに興味を持ったことがきっかけでリガーを目指すことにしました

リグを作る上でのコツや意識していることはありますか?
– 対象物の構造を良く理解し、アニメーターが使いづらくない、
 シンプルな形になるように心掛けています

おすすめの書籍や映像作品を教えてください!
– 特にありませんが、人体や物の構造がわかる本(MAYAであればmelやpythonなど)や、
 プログラミングの勉強が出来る本がいいと思います

リガーを目指している方にメッセージをお願いします!
– リガーはどちらかというと裏方の職種ですが、無くてはならない存在です。
 リグを組むためには様々な知識が必要とされるので覚えることが多く、
 大変だと感じることもあるかと思いますが、頑張ってください!

ちなみに、実は筆者もリガーの一人で、
学生の頃はCGの作業を一通り授業で学びました。
その中でリギングをしているときが一番楽しかったの
でリガーを目指すことにしたのですが、当時はリガー向けの資料があまりなく、
ひたすら独学で勉強して覚えました💦
(Maya関連だとAREA JAPANのYouTubeチャンネルに公開されているウェビナー等)

2人のインタビューにもありましたが、
人体や物がどう動くかを理解することはリグにとって非常に重要です。
アーティスティックなだけでなく、テクニカルな面もある職種ですので
python等のコーディング知識もあると
より良いリグ制作ができるようになると思います✨

ということで、簡単にですが【リガー】と【リグ】について
ご紹介させていただきました!
少し複雑に感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、
とてもやりがいのある仕事ですので一人でも多くの方に
興味を持っていただけると嬉しいです◎

それではまた更新します✾

ペイントクラス✐

またまた暑い日が復活しましたね;
湿度も高く、過ごしにくい日が続いています。
とはいえ朝晩の暑さは和らぎ、秋の気配も近づいてきている気配…🍂

秋といえば「芸術の秋」!
以前ブログで紹介された社内デッサン会から時が経ち、
現在は『ペイントクラス』として活動をしています。
参加者が講座で教わってきたことや、
これまでの経験をシェアして皆で楽しみながら描いています。

ルールは、以下の3つ↓
・ 始業時間前の午前9時に集合(就業は11時~です)
・ 開始から30分を目安にして良い部分と違和感のある部分をチェック
・ ひたすら加筆と修正を繰り返す

トータルの所要時間は1時間半ほどです。
最後にそれぞれのスケッチを見て回って終了→就業開始!

筆者は学生時代にトンコハウスさんのスケッチに魅了され、
今も筋トレをする感覚でスケッチを続けているのですが、
最近ではスケッチが息抜きにもなっています◎

モチーフはコップやフルーツといった身近なものを選ぶことが多いです。
描くにあたって、「なぜそう見えるのか」や「なぜ魅力を感じたのか」、
「なぜ感動したのか」など、それぞれ感じることがあると思います。
思い込みで描かず、自分の目で見たものや感じたことを素直に描き出すことで
普段見逃していたことに興味や関心を持つことができます。

例えば、平日は会社と家の往復がほとんどですが、
いつもと同じ通勤経路も天気や時間帯によってだいぶ印象が変わります。
こういうところを意識してみると、毎日歩く道でも「面白いな~」と
楽しみながら歩けます:)

他にも、スケッチを通じてマテリアルに興味を持ったり、
構図を勉強する必要性を感じたり、各々のペースで表現の幅を広げる
新たなきっかけにもつながります。
どうすれば違和感を解消できるのか、
仕事でも通用するヒントがスケッチに隠れているかもしれません✨

資料探しとして写真を検索して集めるのも良いですが、
やはり実際に自分の目で見て確認した方が作業を進めやすいと感じています。
リアルな体験を仕事に落とし込めるよう、日々精進あるのみ!ですね♪

そして何といっても、「自分が上達していくのが目に見えてわかる」という点が
スケッチのいいところ。同じ物を複数人で囲んで描いても
人それぞれ全然違う仕上がりになっているのも面白いですよ!

描いていく中で壁にぶつかることも沢山ありますが、
そんな時は絵画集をみてモチベーションをあげたり、
スケッチ仲間と外へ出かけたりすることで気分転換しています♪

自分ひとりでは気が付かなかったことに気付けることや、
向上心も保つことができるのもスケッチの魅力のひとつ。
上手い下手関係なく、これからもスケッチの輪を
広げていけたらいいなと思っています!

他にも色々な良いところがありますが、今回はこの辺で。
これからも沢山スケッチをして色々なことを勉強していこうと思います!
ぜひ皆さんも一緒に頑張りましょう❁

ではまた更新します*

Isilon導入事例 ~開発部門のお話~

令和最初のお盆休み、皆様いかが過ごされましたか?
台風10号の影響がある地域の皆様、くれぐれもお気を付けください!

さて、今回は久しぶりにDevelopment Div(開発部門)のお話です。

アニマでは本格的なパイプラインの構築と制作規模の拡大に伴い、
ネットワークの混雑による通信速度の低下や
ストレージ容量の不足等の問題が顕著になっていました。

こういったデータ周辺の環境を改善するため、
今回非常に強力なサーバーマシンを導入しました!

「Dell EMC Isilon」です↓

「Dell EMC Isilon」はデータの読み込み/書き出し時の
負荷を徹底的に分散する設計になっており、
アクセスが大量に集中しても常に一定の速度を保証することができます。
さらに、独自の堅牢なデータの最適化やバックアップ機能を備えており、
保全の面から見ても高い信頼性を備えています。

これほど高性能でありながら、ファイルシステムとしては
単一のドライブとして認識されるため、
既存の環境に容易に導入できる扱いやすさも兼ね備えているのです✨

また、マシンの稼働状況はwebブラウザで確認することができ、
ユーザーフレンドリーなインターフェースが用意されています。

このマシンの導入によりどのような環境改善につながったのか、
現在Isilonの整備を担当しているシステム管理のスタッフに話を聞いてみました。

──これまでどんな使用用途/スペックのサーバーを使用してきましたか?
使用用途としては、社内システム基幹系/ストレージ/レンダーサーバーなど、
スペックは2CPU構成のラックマウント方式のサーバーを中心に使用していました。
ストレージに関しては、Windows Server/QNAP/Synology等の運用経験があります。

──導入されたIsilonの構成について教えてください。
今回、以下の構成にてIsilonクラスタを構築しました。

・ノード構成
H600 x4 ノード + A2000 x4 ノード
・ディスク構成
HDD 850 TB + SSD 5.7 TB

──Isilonは現在どのような稼働状況ですか?
進行中のプロジェクトに関して、順次Isilonにデータの移動を行っており、
実際に本番運用を行いながら随時検証を進めています。
現在、社内の全クライアントが接続しており、常に多数の通信を行っている状況です。

──現段階でのIsilonの印象について教えてください。
十分な冗長構成が取られているため、
耐障害性について非常に信頼性の高い設計になっていると感じています。

──Isilon導入により社内のデータ管理等に改善された点はありますか?
ユーザによるファイル操作時のレスポンスが以前と比較して改善されたように思います。
また、非常に大きなディスク容量をワンボリュームで使用できるため、
従来の複数のストレージに分散させていた運用と比較して、管理上の手間も削減されました。

──Isilon導入によって今後改善されうると考えられる点があれば教えてください。
拡張性の高い設計となっているため、
今後規模が拡大し性能や容量が不足した際もノードを追加する対応で済みます。
そのため社内ストレージの持続的な運用に関連する将来的な工数も
削減することができたのではと考えています。

アニマはこれからもより盤石な制作体制を整えるよう邁進して参ります。
それではまた更新します*