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カテゴリー別 : 社内イベント

mGearのChannel Masterについて

9月になりました~!2022年も3分の2が過ぎましたね。
お正月がつい先週のような気がします…。

さて今回は、mGearの『Channel Master』についての記事です。

※『mGear』とは
アニマが多くのプロジェクトで採用している
オープンソースのリギングアニメーションフレームワークです

公式サイト【mGear Framework】
YouTube【mGear: Rigging & Animation Framework】

アニマのYouTubeでもmGearについて触れています⇓

Mayaでリグコントローラーのアトリビュートではないものを
アニメーターに操作してもらう必要がある場合、どうしていますか?
例えば、シーンのリグに後から追加する手筈になっている
デフォーマーのアトリビュート等です。
追加される「ものごと」は決まっていても
それを実際に追加するかは各アニメーター次第の場合
追加した後にどのように操作をしてもらうか、という点が厄介です。
SV(Super Viser)としては操作経路を整えておきたいですよね。
そんな時、私たちはmGearのChannel Masterを駆使します。

Channel Masterは、アトリビュート(plug)を登録し
それらを操作するための優れたUI(ユーザーインターフェース)を備えたツールです。
UIからアニメーションキー関連の操作も可能です。

上の画像は、リグコントローラーにあるフェイシャルの
ブレンドシェイプアトリビュート群をChannel Masterに登録したものです。

フェイシャルのブレンドシャイプのような数の多いものも
UIの方で順番や色を変える等して、
ある程度分かり易くまとめることができます。

もちろん、この記事の本題である
リグコントローラーではないノードのアトリビュートも
このChannel Masterに操作経路をまとめることができます。

上の画像は、シーンに後から追加する手順になっている
衣類等をノイズ揺れさせための仕組みを操作するChannel Masterの例です。

本来ならば複雑な
階層内の特定のジオメトリの特定の位置にある
ブレンドシェイプノードのアトリビュートですが
このChannel Masterによって操作経路をUIにまとめることができます。

ブレンドシェイプ関連のものが2例続きましたが
当然他のもののアトリビュートでも問題ありません。
他のデフォーマーを後から追加する場合も、
専門的な知識が必要な設定箇所は、構築時に自動的に設定し
アニメーターに操作してほしいアトリビュートだけ
Channel Masterに登録しておく使い方ができます。
それによって、アニメーターは難解なアトリビュートがずらっと並んだ
アトリビュートエディタやヒストリのチャンネルから適切なアトリビュートを
把握や検索して操作する必要がなくなります。
SVもChannel Masterに登録した
触って欲しいアトリビュートだけ説明するだけでよくなります。

さらに優れた点は、mGearのAnimPickerと同じく
登録内容は外部データ参照にできます。
外部データに出しておいて、Channel Masterノードにそのパスを通しておけば
いつでも更新、反映が可能です。

AnimPickerを紹介したブログ記事はコチラ⇓

アニメーターへのスクリプトの配布方法について

この点から、やはりChannel Masterも
外部データのパスだけ通してあるものを
リグに含めておくという運用が強力です。
ネームスペースについては、Channel Masterノードのネームスペースが
登録されている各アトリビュートに適用されます。
つまりChannel Masterノードをリグに含めておくと、
アニメーターがシーンをビルドするとリグと同じネームスペースが付きます。
登録されている各項目は、どのようなネームスペースでビルドされても
リグと同じネームスペースが付いたplug名となり適切に動作します。

※Channel Masterノードのネームスペースとは違うネームスペースノードのアトリビュートを登録したい場合
登録時のアトリビュートのネームスペ―スそのままで登録するオプションもあります

まだまだ書きたいことがあるのですが…
予想外に長くなってしまったので、まとめに入ります。

リグコントローラーではないアトリビュートの操作経路を確保したい場合
現実的にChannel Masterを使うしかないと思います。
mGearのChannel Masterは、
各項目の色変更や数値の範囲設定、順番変更等、
必要なことは大体カバーされています。
後から追加する手筈になっているものが
まだシーンに存在しておらず、Channel Masterにアトリビュートが登録だけされている
という状況でも問題ありません。
シーンに見つからないという『warning』メッセージが出て
UIに出てこないだけです。
後から追加するアトリビュートを、
登録してあるChannel Masterのリグに含めておいてもOKです。

Channel Masterは、アニマが開発者に伝えたリクエストも含めて
今後も改良されていきます!

今回は、Channel Masterのご紹介でした。
それでは、また次回の更新をお楽しみに~!

自転車部~奥多摩サイクリング~

最近は少しずつ秋の訪れを感じる日も増えてきましたね🍂
サイクリングをするには気持ちの良い季節が近づいてきました🚴

今回は “アニマ自転車部”についての記事です!

コロナ禍の影響により、なかなか皆で集まることができなかったり
イベント等も中止が相次ぎ、部としての活動は減ってしまいました…。

普通に活動していた頃の賑わっていた社内の自転車倉庫が懐かしいです!
社内の一室に、備品置きを兼ねた自転車倉庫があり
6台程自転車が置ける空間があります。

毎年、皆で参加しよう!と決めていた
『ジロ・デ・信州』もここ2年は中止となり今年も開催は未定です。
現在の活動は自宅でローラー台を使ってトレーニングを行ったり
個人や少人数でサイクリングをしたり、といった内容となっています。

私自身、最近は自転車に乗る機会も減っていたので
先日、久しぶりに奥多摩湖まで行ってきました!

生憎の曇り空だったので、
雨が降り出さないか心配しながら走っていたのですが
幸い降らずに帰ってくることができました。

久しぶりに遠くまでサイクリングに行ったのですが、
やっぱり楽しいですね♪
直接肌で自然を感じることができ、
適度な疲労感も感じられて…いや、久しぶりだったのでかなり疲れました(笑)

自宅でのトレーニングと実際に走るのでは
やっぱり違うな~と改めて感じました。
またイベント等が普通に開催できるようになることを祈りつつ
自転車部員それぞれトレーニングを頑張ろうと思います!

それでは、また更新します:)

人体の造形力上達方法【キャラクターモデリングアーティスト編】

皆様夏休みは如何お過ごしでしょうか?
連日の猛暑で少し夏バテ気味の筆者です…💦

今回の記事では
入社3年目のキャラクターモデリングアーティストである筆者が
『人体の造形力上達方法』をご紹介させていただきます。

① 知識をつける
迷いがあると曖昧な造形になってしまうので
まずは、人体解剖学の本やフィギュア、写真等を見て
知識をつけることが大切です。
人体の比率、骨の形、筋肉や脂肪の付き方、靭帯と筋肉の違い…等々
人体についての知識を蓄積し、
自分の頭の中で分解したり繋げたりを繰り返して説得力を出せるようにします。

② 良質な資料集め
キャラクターの方向性を意識して資料集めを行うことをオススメします。
方向性が曖昧だと造形も曖昧になってしまう可能性があります。
もし作業中、方向性に迷ったら直ぐに追加資料を集めましょう。

③ フィギュアを観察
フィギュアは、デフォルメされつつも
説得力のある人体模型として、とても参考になります。
セルルックをやりたい方は、
クオリティの高いと思うフィギュアを参考にすると良いかもしれません。

④ 客観的な意見を聞く
自分で長い時間モデルを作成していると
どうしても客観的になることが難しく、悪い部分に気付けないことがあります。
それを防ぐためにも、先輩や上司に積極的に見てもらい
多くの意見をもらうことを大切にしています。
人に指摘されて初めて気付くことは多いですし、
新しい知識の取得にも繋がります。

⑤ 2Dで描いてみる
美しいシルエットや人体解剖学は
3Dよりも2Dで画像を修正した方が
違和感に気付けることが多く、
しっくりくる形に早く辿り着けるかもしれません。

⑥ シルエット確認の方法
白い背景にモデルだけ黒く塗りつぶす、
又は白く塗りつぶしたモデルに黒いアウトラインが出るようにすると
違和感が発見し易くなるのでオススメです。

⑦ モチベーションアップのための勉強方法
あくまで筆者の場合になりますが、
勉強する際は、本をひたすら読みこんだり
人体のスカルプトを練習し続けるのではなく、
ファンアートやオリジナル等で、自分が好きな物を作ることを目的に
作品作りの一環として勉強を取り入れると
モチベーションを保ち続けることができます。
勉強のモチベーションを保つことに苦戦している方は是非お試しください!

いかがでしたでしょうか?少しでも参考になれば嬉しいです!

筆者の先輩方に聞いたところ
ベテランのアーティストでもモデリングする度に
人体の資料を用意して勉強をしながら作成しているそうです。
筆者も良いモデルを作るために、
資料集めや人体への向き合い方を
常にアップデートしていきたいと思っています。

最後に、オススメの書籍をご紹介させていただきます!

スカルプターのための美術解剖学
モデラー定番のアイテムです!

ZBrush デジタルスカルプティング 人体解剖学
人体を作る過程が解剖学の解説と共に載っている本です。