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初夏というには気が早いものの、日中は日陰を選んで歩きたくなるほどの日差しが身体を覆う今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。3DCG業界も今年は特に熱気を帯びているように感じます!
2009年に『アバター』の驚くべき3D上映が世界的な衝撃を与えて以降、 映像の世界はスクリーンの中に留まるものではなくなってきました。
日本でも2010年3月に3DCGで作られたキャラクターが実際のステージ上に投影されて〔現実の歌手のようにライブをするイベント〕が開催され、現実と仮想空間を融合する印象的な事例となりました。
翌年2011年には既に欧米でメジャーになっていた『プロジェクションマッピング』が国内でも本格化し、 ”実際の建物が変化しているように見えるほどの錯覚を起こす表現技術”として3DCG映像は新しい活躍の場を得ました。
また、裸眼で立体的なゲーム映像を見ることができる携帯ゲーム機も発売され、家庭でも手軽にARや3D映像に親しむ事ができるようになってきています。映画館では2013年頃から座席が稼働し、映像に合わせて衝撃や振動、風や水しぶきなどの効果を実際に起こす形式の上映方法が広がり始め、
映像は「見る」ものから「体験する」ものへと変化してきています。
映像の世界が徐々に現実の世界に境界を乗り越えてきている一方、人間が映像の世界に没入して行く技術もいよいよ身近になってきました。 2012年に個人でも手が届く価格設定でOculus社の≪Rift≫が開発者向けに発表された際には世界中の「ギーク」と呼ばれる”技術オタク”がVR技術で遊び始めましたが、今年3月、ついにコンシューマ版が発売されました。
また、10月には国内の家庭用ゲーム機メーカーからもVRHMDの発売が予定されており、誰でも最先端のVRが享受できるようになってきています。
弊社でもRift向けに作られたコンテンツを体験する場が設けられたので早速遊んでみました!大型ロボットや巨人、恐竜など、現実では絶対に出くわさないものを見るのが楽しいです‼
(↑雪原で巨人と遭遇する『COLOSSE: A Story in Virtual Reality』を観賞中の様子)
映像が切り替わった直後、一体自分がどこに連れて来られたのか、この先どこから何が来るのか、実際に辺りを見渡して確認してしまうほどの臨場感溢れるスケールを感じられるのがVRの魅力であり、通常のディスプレイでは味わえない新鮮な感覚がとても面白いです◎ 観賞系のコンテンツは他人の視点に自分が入り込んだような不思議な感覚を感じました。
この「他人の視点を体験できる」点はVRに娯楽だけでなく、実用面での活用にも道がある事を示しているといえます。例えば、自動車運転講習で交通事故の映像を見る際、ドライバーと歩行者双方の視点で見る事ができれば、より高い効果を得られるのではないでしょうか。
他にも、高齢者や障害者、様々な職業従事者の視点など、自分と大きく立場の異なる「他人の視点」を体験する事で人と人との相互理解を深められる可能性があります。
VRは現実と映像の世界の境界のみならず、”自己と他者の境界をも橋渡しする技術”ともなり得るのかもしれません…☆
ではまた更新します:)